正しいことというのは

正しいことというのは、その人が思っているほど相手には受け入れられていないことがけっこうあります。そればかりか正しいことを言われると、しんどくなってしまいます。 ……当然反論はしにくい。でも反発はしたくなるんですね。反論はしづらいけれど気持ちのうえでは反発する。といって面と向かって反発したらかえってしんどくなると思うから、不承不承黙りこんでしまう。するとなおさらしんどくなる。悪循環です。 「タバコは健康に良くないよ」。それはそうでしょう。そんなこと、わかってますよ。でも、だからなんなの? と相手は思っているかもしれません。 ……いくら相手のことをわかっているつもりでも、相手が本当のところどう考えているかといったことは実際にはわかりません。人の心というのは闇の中です。ですから結局、正しいことというのも自分の世界の中での判断でしかないのです。 ……けれど、どうしても白黒をはっきりさせたいというタイプの人がいますね。そういう人はなにかと衝突してしまう。議論になったときも、なんとしてでも勝とうとする。 でもそういう生き方ってしんどいだろうなあと思います。およそ人望のある人の生き方ではないでしょうね。